paypayの100億円あげちゃうキャンペーンは効果的なマーケティングか
つい最近、Paypayが100億円キャンペーン第2弾を行うと発表した。
そもそもPaypayとは、ソフトバンクとヤフーが共同出資する支払いサービスで、コンビニや飲食店など幅広い店舗で支払いに使える。
今年の1月に、Paypayが100億円バラマキキャンペーンを行ったことでメディアでも多数取り上げられた。
100億円あげちゃうキャンペーンとは、ユーザーがPaypayで買い物をすると支払代金の20%が即時にPaypay内残高に還元されるものである。この還元額の合計が100億円のため、100億円あげちゃうキャンペーンといわれている。
20%のバックに魅力を感じたユーザーが殺到し、第一弾のキャンペーンは予想をはるかに上回る約1週間で終了した。
そして、今回は前回と同じ100億円キャンペーンを再び行うと発表したのだ。
しかし、今回のキャンペーンには条件が加わった。それは、1回の買い物での返金額は最大5,000円、1人当たりの返金額は最大50,000円までだというものだ。
前回の結果を受け、より多くの人に使ってもらえるようにこの制限を設けたのだという。
確かに、前回は高額の家電を買い占めて20%の返金を得て、それを転売する人たちが相次いだため、今回のキャンペーンでは以前より多くのユーザーが使用することになるだろう。
このキャンペーンはTVなどのメディアでも取り合げられ、知名度は以前より格段に上がった。これは企業側の思い通りだろう。テロ組織がメディアに取り上げられて広報活動につなげるためにテロ活動を行うのと同じことだ。
確かに、現在は楽天ペイやLINEペイなど、類似した支払いサービスは競争が激化しており、いかにユーザーを囲うかが大切になる。ユーザー数を増やすためにはまずは幅広いユーザーに認知される必要があり、莫大な広告費を投下してCMなどを打っていることもうなずける。
しかし、どんなに多くのユーザーを獲得しても、サービスが使われ続けなければ意味がない。
そして、今はキャンペーンによってユーザーは爆発的に増えているが、Paypayがキャンペーン後も使われ続けることはないと私は思う。
なぜなら、ユーザーが感じる新規性、利便性がないからである。
私はまだPaypayを入れていないので詳しいことはわからないのだが、Paypayが便利で使いやすいという話は周囲からも聞いたことがない。
大学生はこういうキャンペーンに敏感なので、使い始めた友達が多いのだが、完全にキャンペーン目的でそれが終わったら元の手段に戻すと言っている人もいる。
クレジットカードのように暗証番号を入れたりサインをしたりする必要がないのは利点かもしれないが、その不便さを解消するものとしてSuicaという圧倒的な存在がある。電車を使う人はほとんどSuicaを持っているだろうし、使える店もとても幅広い。
オートチャージにすればいちいち切符売り場でチャージする必要もない。私もSuicaを持っているが、私の決済手段の優先順位はid、Suica、クレジットカード、現金の順であり、細かい買い物は大体Suicaで事足りる。
キャンペーンのためにPaypayを入れたとしても、それを使い続ける理由はないのだ。
だから、100億円×2+CMなどの広告費という莫大な金額を投資した割には、リターンは少ないんじゃないかと思っている。
ユーザーを離れないようにするにはキャンペーンを打ち続けるしかなく、そのたびにコストがかかる。
そして、値引きされて当たり前と思っていたユーザーは、値引きがなくなった瞬間に魅力を感じなくなり、結局離れていくだろう。
数百億という潤沢な資産を持ちながら、この使い方はマーケティング的にも得策とは言えないし、ただのキャッシュバックではなくユーザーにとっての利便性や新規性を持つサービスを展開するための費用に充てるべきだと感じる。
例えば、手のひら決済とか、光彩決済とか、デバイスを持たずに決済できるシステムの開発が進んでいるが、潤沢な資金があればこのような消費者をさらに豊かにする便利なものに投資すべきではないだろうか。
このような新技術の開発は莫大な投資を必要とするためベンチャー企業だけでは難しく、潤沢な資金を持つ大手が主導になってやるべきである。
キャッシュレスは巨大な市場規模を持っており、海外企業に参入された場合日本の競争力はさらに低下してしまうので、Paypayかほかのサービス化はわからないがさらに消費者の生活を便利にしてくれるサービスが生まれることを待ち望んでいる。
20%還元は確かにすごいが、しばらくは高額の消費をする予定もないのでPaypayは入れなくていいかな、、