すき家のクーポン戦略にまんまとハマってしまった件

すき家に「すきパス」なるものがあることをご存知だろうか。

 

200円で購入でき、1ヶ月間何度でも牛丼・カレーが70円引きになる割引券のようなものである。 使える期間は予め決められていて、2月の券は2/1〜2/28の間使える。

 

購入してから1ヶ月間ではないので、日数が少ない2月に買うのはどうかと思ったが、3回で元が取れるなら行くだろうと思って購入した。

 

結果的に、2月のすきパスは本日2/19までで10回以上使っている。

 

今日はこのお金を払ってクーポン券を買わせる仕組みの秀逸さについて語ろうと思う。

 

そもそも、これだけITが発達した現代でも紙のクーポンが今もなお多くの店で使われているのはなぜだろうか。

 

それは、クーポンが利用者の財布の中にあることで店の存在を思い出させ、「行かないと損」であると思わせる効果があるからである。 現在では電子クーポンも発達しているが、電子クーポンはアプリを開かなければ見る機会が無い。

 

一方、財布は一日に必ず数回は開き、紙のクーポンを見ることになる。 大抵のクーポンには使用期限が設けられているので、いついつまでに行かなきゃと思うようになる。

 

それでも、たまに財布の整理をした時に期限切れのクーポンが出てきたとしても、タダでもらったものだししょうがないと思って普通に捨てるだろう。

 

しかし、もしクーポンをお金を払って購入した場合はどうだろうか。 少なくともその存在は常に頭の中にあって、財布を整理した時にたまたま出てきた、ということはないだろう。

 

私の場合、昼食は外で取ることが多いのだが、すきパスを買ってからまずは近くにすき家がないか調べるようになった。 もしなければさすがに諦めるが、昼食の第一候補としてあがるようになった。

 

実際のところ昼食なんて安くて早ければどこでもいい。だから、以前は牛丼チェーンや日高屋富士そばなどによく行っていた。 そんなに毎日行って飽きないのかと思うかもしれないが、メニューがたくさんあるから全く飽きない。

 

最近は期間限定メニューの「食べラー・メンマ牛丼」にハマったので、10回中9回はこれを食べている。 これも期間限定という言葉に釣られて最初試してみたら、完全に私のツボに入ってしまった。

 

行けば行くほどお得になることは間違いないのだが、まんまのすき家の戦略にハマっていることも間違いない。

 

すきパスに限らず、サブスクリプション型のビジネスはとても強い。 例えば、月額制のフィットネスクラブなんかもこれと似ている。

 

幽霊会員が8割を占めるとも言われており、会員が施設を利用するしないに限らず、安定的に収益を得ることができる。

 

すき家の場合、すきパスを買ってもらえても利用頻度が増えなければ1人あたり月200円しか収益を得られない。 しかし、利用者側からすると、「買ったから使わないともったいない」「使えば使うほどお得」という魅力?に惹かれてクーポンを使いたくなってしまうのだ。 その結果利用頻度が増えて収益も上がる。

 

すき家のように店舗数が多くてどこにでもあるからこそできる戦略である。 あまり店舗数が多くないチェーン店だと、割引があってもわざわざそこまで行こうとは思わないだろう。 そもそも、また来るかもわからないのにお金を出してクーポンを買おうと思わない。

 

いやしかし、牛丼は並盛りではほとんど利益が出ないという話を聞いたことがある。 大盛りやセットメニューで単価を上げて利益を出している薄利多売のビジネスだが、すきパスで牛丼ミニ(290円)を買ったら220円になる。 すきパスの70円引きは1回の会計で3食まで適用されるので、特盛とかメガ盛りを買うならミニを2つ買った方が安くなりそうである。

 

余談だが今から食べラー・メンマ牛丼を食べて来ようと思う。 別に宣伝したいわけではないがピリ辛食べるラー油とメンマがとても合うので一度食べてみてはいかがだろうか。