泉佐野市がふるさと納税で炎上している件
昨日、こんな発表があった。
大阪府泉佐野市が、ふるさと納税の返礼品に加えて、最大20%のアマゾンギフト券を配布すると発表した。
元々、泉佐野市は返礼品の高さからふるさと納税で有名になった自治体である。
総務省が「返礼品規制」によっての価値を寄付額の3割までにするようにという動きがあるが、泉佐野市はそれに反抗的な態度を示し、4割や5割近い返礼品を用意していた。
それに伴って政府は呼びかけを強めていたが、それを受けてのこのキャンペーンの発表である。
ふるさと納税制度が変更される前の「閉店キャンペーン」と称し、対象商品を5月以降の発送にすると寄付額の20%、5月より前の発送であれば寄付額の10%のアマゾンギフト券が返礼品に加えて配布されるという。
政府に真っ向から反抗するような施策だが、自治体の担当者はあくまで
「あくまでもうちが用意している通常の返礼品を選んでいただいて、寄付をいただいた方に対してのプレゼントとしてギフト券をお付けさせていただいている」(泉佐野市成長戦略室 木ノ元誠参事)
とコメントしている。
泉佐野市は平成30年のふるさと納税で200億円以上の税収を得たという。
しかし、国民が納める税額は一定のため、泉佐野市などの自治体が税収を上げる一方、税収が減る自治体もあるということである。
例えば、世田谷区は平成30年度の税収が41億円減と発表した。東京23区はもともと税収が多かったが、ふるさと納税によって大打撃を受けている自治体も少なくない。
これに対し、ふるさと納税によって税収が減少した自治体の市長は口をそろえて、「ふるさと納税制度は悪だ」という。
しかし、これは必然の結果なのではないだろうか。
本来、ふるさと納税は「寄付」がメインで返礼品はあくまでおまけという考えのもとに立っている。
しかし、このような制度を作れば、泉佐野市のように返礼品を豪華にして税収を増やそうと考える自治体が出てくることは簡単に予想がつく。
そして、人々はこのエサに簡単に釣られる。Paypayのバラマキ企画にしろ、仮想通貨にしろ、人々は目先の小銭を集めることに夢中になる。
ふるさと納税は自治体にとって、なによりも効果的に税収を集める方法ではなかろうか。
だから、泉佐野市の施策は間違っていないと私は思う。もちろん集めた寄付金は正しく使われる必要がある。
集めた数百億円をきちんと市民のために使い、大規模な施設を作って人を集め、街を盛り上げて消費が活性化すれば、日本の経済成長にも貢献できる。
地方の過疎化が嘆かれる今の日本において、ふるさと納税は地方を活性化させるチャンスである。
税収が減った自治体は市民や他の自治体を非難してる暇があったら、何かしら手を打つべきである。泉佐野のように返礼品の豪華さで勝負することが難しいのなら、ただの「モノ」ではなく「コト」を返礼品にしても良い。どこかの会社と提携して新たなサービスを立ち上げ、寄付者のみ無料で使えるようにしても良いかもしれない。
このまま文句を言っていても人々の行動は変わらない。
返礼品規制などができても、そのルールの穴をねらって寄付金を集める自治体は出てくるだろう。これまでは明確なルールがない何でもありの状態だったため、とにかく返礼品を豪華にする泉佐野市が圧勝していたが、これからはルールの中で正しく戦うことが求められる。
「コト」なら明確に価格が査定できないため、寄付者にとんでもないサービスを行う自治体も現れるかもしれない。
もはや本来の意味の「ふるさと」への寄付というものではなくなってしまったことは残念であるが、市民が寄付したいと思えるような何かを自治体には考え続けてほしい。
なお、アマゾンギフトキャンペーンは↓の泉佐野市の特設サイトからしか適応にならないのでご注意を。
昨日からずっとアクセスはつながりづらくなっているが、申し込みはできそうである。
私はこのキャンペーンは使わず、泉佐野市に1万円を寄付してエビスビールを24本もらおうと思う。
これも220円×24本=5,280円と返礼品が寄付額の5割を超えている。
てことはもうすぐ規制されちゃうのだろうか、、