メタ思考を始めたら目標が少しだけ近づいた

最近読んで特に印象に残っている『メタ思考トレーニング』という本がある。

 

著者は細谷功という方で、『地頭力を鍛える』『アナロジー思考』など思考力に関する本を数多く執筆されている。 他の本も面白いのだが、今回は『メタ思考トレーニング』を読んで思ったことを書く。

 

そもそもメタ思考とは、「物事を一つ上の視点から考えること」である。

 

マネーハックがテーマのブログなので、今回はお金の視点からメタ思考について考えてみようと思う。

 

例えば、就職活動において、給料が良い業界、会社は学生から非常に人気がある。 外資系金融、戦略コンサルティングファームなどはその典型であり、東大や早慶などの優秀な学生が集う。 その結果、採用倍率は非常に高く学生から見てレッドオーシャンとなっている。

 

しかし、お金がたくさん欲しいから給与水準の高い会社に入るというのは、メタ思考的には良くない。

 

メタ思考で考えれば、「お金を稼ぎたい」という目的から逆算した時に、就職は一つの手段にすぎず、それ以外にもたくさんの手段があるということになる。会社を経営するのも、副業で稼ぐのも「お金を稼ぐ」目的を達成するための手段である。

 

そもそも、以前紹介した『外資系金融の終わり』で藤沢数希氏が述べていたように、外銀のフロントオフィスでもない限りサラリーマンの年収はたかが知れている。戦略コンサルタントでどんなに頑張っても30歳で1,500万ほどである。

 

総合商社に入っても大体年収1,500万ぐらいから伸びが緩やかになり、2,000万に到達できる割合はそこまで高くない。しかも、年収が2,000万あると累進課税により50%近く税金を取られる。

 

それならば本業の年収を1,000万、副業年収を1000万に分けたほうが税率は低くなり、さらに個人事業主になれば経費も使える。

 

キャッシュの目標を置くなら、年収より手取りの金額を目標に置いたほうが明確である。「年収2,000万」という肩書きが欲しいのでなければ。税金の話はまた今度記事に書こうと思う。

 

とにかく、「お金を稼ぐ」という目標があるならサラリーマンとしての年収にこだわる必要は全くない。このように「物事を一つ上の視点から考える」ことがメタ思考である。

 

さらにもう一段階メタ思考をすれば、「なぜお金を稼ぎたいのか」を考えることである。例えば、その理由が「異性にモテたいから」であるとする。

 

その場合、確かに「金持ちであること」は異性にモテるための一つの手段であるかもしれないが、それがすべてではない。

 

逞しい体つきをしていることや、女性の話を親身に聞く傾聴力、面白い話のネタを持っていて場を盛り上げることができるなど、モテるための手段は他にもたくさんある。

 

このように、「なぜそれをしたいのか」を深掘りすることで、自分が今しようとしている意思決定が本当に正しいのかを俯瞰的に見直すことができる。

 

私はこのメタ思考を知ってから、目的に対して最短ルートを考える癖がついた。給料だけで就活をすることもなくなったし、無駄なことは避けられるようになったと思う。

 

とはいえ、外銀や外コンの選考を受けることが悪いと言っているわけではない。これらの選考に来る学生はレベルが高く、時期的にも3年の夏の早い時期から行われる。 よって、自分のレベル感を把握するとともに、選考時期が遅い他の企業を受ける前の練習の場とすることができる。

 

あくまでお金を稼ぐためだけが志望理由にならなければ問題ないのだが、給与水準だけで就活している学生は意外と多い。 どれぐらい稼ぎたい?という質問に対し、なんとなく20代で年収1000万と答える人は多いが、手取りで700万と答える人はほとんどいない。

 

自分の目的から逆算して、後悔のない意思決定をし続けられるようにしたい。

 

 

メタ思考トレーニング (PHPビジネス新書)