『多動力』を読んで行動する1%になるために

堀江貴文氏の著書『多動力』を今や知らない人はいないであろう。

 

読んだことがない人のために簡単にまとめると、本作は文字通り、一つのことを生涯通してやるのではなく、やりたいことを同時に複数やるべきであるということが書かれている。

 

一つのスキルで10000人に1人のプロフェッショナルになるには大体1万時間かかると言われている。1万時間はフルタイムで5年間働いてようやくたどり着けるレベルである。 一方、100人に1人のスキルを3つ持っていれば、100×100×100で100万人に一人の人材になれる。

 

年収をあげるには自分の市場価値を高めることが大切だが、市場価値とは需要と供給の関係で決まる。 つまり、1つのことのプロフェッショナルより、マルチに活躍できる100万人に1人の人材の方が市場では評価されることになる。 その3つのスキルがよほど需要のないものでない限り。

 

終身雇用の時代は終わったと言われているが、これからの時代1つの仕事に自分の生涯を捧げるのは馬鹿だと筆者は主張している。

 

この意見には私も概ね同意である。別に正社員として仕事を続けなくても、アルバイトなりなんなりして暮らせる時代である。時給1000円で働こうが死ぬことはない。フルタイムで働けば1週間で4万円、1か月で20万年弱稼げるのである。アルバイトをしながら自分の好きなことに時間を費やしてそれをビジネスとすることは十分可能である。

 

しかし、この本を読んで実際に行動する人は1%にも満たないのが現実ではないだろうか。仮にもう少し多くても、それを1ヵ月、1年と続けることができる人は1%にも満たない。

 

人間は本来継続することが苦手な生き物であるし、ある程度は仕方がないとは思う。しかし、続けるだけで差別化できるというのは非常においしいのではないかと思ってしまう。続けるだけで競合はどんどん減っていき、それ自体が差別化になる。もちろん続けている人の中で差別化は必要になるが、参入障壁が低くても継続しているだけである程度の成果は出るだろう。

 

嫌いなことを続けるのは苦痛でしかないし、無理して続ける必要もないだろう。しかし、それが好きであればそれ自体がインセンティブになり勝手に続けることができる。

 

趣味でも勉強でも、好きなことならまずはやってみよう。できなかったら辞めればよいし、失敗した理由を分析することで次に生かすことができる。何事も始めてみなければわからないので、迷ったらやってみる、あとで後悔しない選択をすることは大切であると思った。

 

しかし、そうはいっても現在のままでは時間がなくて新しいことを始める余裕がないという人もいるだろう。そのような人は、自分の行動を振り返ってみて必要ないと感じる行動やタスクをやらないようにすることも大切である。仕事が嫌ならやめればよい。経済的に不安なら、1年間働かなくてもよいように貯金をためてから辞めればよい。

 

1年間一つのことに無我夢中で取り組めば、大抵のことはできる。

 

一度きりしかない人生、これまで費やした時間は二度と戻ってこない。残りの人生は、睡眠時間や食事、衛生に必要な時間を除いたら極めて短い。そのような中で、自分がやりたいことをできない人生は送りたくないし、幸せに離れないと感じる。

 

好きなことで生きていく、というのは案外不可能ではないのかもしれない。

 

まずは1歩踏み出してみようと思わせてくれた1冊だった。

 

私がプログラミングの学習とブログの執筆を同時に進めようと思ったのもこの本の影響が大きい。

 

与えられた時間は、経営者だろうが大学生だろうが主婦だろうが一緒である。残りの数十年、自分が好きなことをできる時間がなるべく長くなるように努めたい。

 

そのためには、金に困らない状態を作ること、この状態を一刻も早く抜け出し、次のステップに踏み出さなくてはと思わせられた一冊であった。

 

読んで終わるのではなく、どんなに小さなことでもよいから何か新しく始めてみよう。

 

多動力 (NewsPicks Book)

多動力 (NewsPicks Book)